(C)TOSSインターネットランド /小学校/教科指導/国語/1年生



「ずうっと、ずっと、大すきだよ」(光村図書 1年 下)


荒牧 ひろみ(TOSS無法松)

       1年生にも出来る分析批評での第一歩。 「ずうっと、ずっと、大すきだよ」(8時間)の指導のポイントです。

・ 登場人物の気持ちを考える
・ 吹き出しを書いて、気持ちを考える
・ 紙芝居や劇をする
 このような授業ばかりでは、文章を正確に読み取る力はつきません。
 国語の教科書で取り扱われている物語教材は、学期に1つか2つです。時間も限られています。
 言葉にこだわり、読み取る力をつけるには、どんな授業をするといいのか考えた実践です。


【授業のポイント】
 第2時〜第5時は、発問(学習課題)を厳選することで、主題に迫ることができます。
 発問を考えるポイントは、
 必要のない発問は削ること。
 子どもの考えが多岐に渡り、文章を読み込めば主題が発見できること。

・ 毎時間の授業の初めには、あかねこ漢字スキルで、漢字指導を行います。

 

第1時  繰り返し音読する。

 ・ 範読、追い読み、交互読みなど色々な読み方で、繰り返し音読させる。

第2時  「登場人物は、何人ですか。」

 (1) 登場人物をノートに書かせる。
 (2) 挙手をさせ一番多かった人数を板書する。
 (3) 板書された登場人物について、おかしいと考えるものを言わせていく。
    話し合いが進む中で「ぼく・エルフ・兄さん・妹・ママ・獣医さん・となりの子」くらいに落ち着く。

【ポイント】
  「『こねこ・金魚・他の犬』は『飼うだろう』と書かれているから、まだ飼ってはいない。だから登場人物ではない。」というような文章中から根拠を挙げる意見を取り上げ、ほめると文章を正確に読むようになる。
 
【注意点】
  登場人物については、1学期の「はなのみち」で指導している。
  最後のさし絵を見て、蛙やへび、小鳥を登場人物と言う子がいたら、1学期に確認した「登場人物の定義」を思い出させる。
 

第3時  「誰が何をした話ですか。」

 (1) 誰が何をした話なのか、ノートに書かせる。
 (2) 書いた順に板書させる。
 (3) 主語が「ぼく」「エルフ」「ぼくとエルフ」の三つに分かれる。
     子どもたちから出た意見
     @ 「ぼく」がエルフと一緒すごす話。  「ぼく」がエルフに「ずうっと、大すきだよ。」という話。
     A 「エルフ」が大きくなって死ぬ話。  
     B 「ぼくとエルフ」が一緒に大きくなる話。
     三つの中のどの考えなのかネームプレートを使い、自分の立場(考え)をはっきりさせる。
 (4) それぞれの理由をノートに書き、発表させる。

【ポイント】
 (2)で板書された意見は、『主語』で分類すると話し合いがしやすくなる。
 子どもたちが分類できなければ、教師が教え、三つに分ける。
 意見を聞くうちに考えが変わったら、他の考えに変わってもいい。
 「考えが変わったのは、他の人の意見をよく聞いていたかだね。」とほめることもできる。

【注意点】
 (4)の時は、必ず自分の考えをノートに書かせてから、発言させる。
 そのため、ノートに自分の考えを書く時間を確保してやる。 

第4時  「主人公は、誰ですか。」

 ★ 前時では、意見がまとまらないことが予測される。
   そこで、「主人公は、誰ですか。」の発問をする。
 (1) 主人公は誰なのか、ノートに書かせる。
 (2) 「ぼく」「エルフ」「ぼくとエルフ」の三つに分かれる。
     三つの中のどの考えなのかネームプレートを使い、自分の立場(考え)をはっきりさせる。
 (3) それぞれの理由をノートに書き、発表させる。

【ポイント】
 (3)の時、少数意見から発言させる。

 ・「エルフのことを話します。」と書いているので、エルフの話だから、エルフが主人公。 
 ・話しているのは、ぼくだから、ぼくが主人公。
 ・エルフとぼくの思い出の話だから、ぼくとエルフが主人公。
 などの意見が出された。
 ここで「視点」について、取り扱うことができる。
 この話は、「ぼく」という一人称視点で書かれている。
 ぼくの気持ちは書いてあるが、エルフの気持ちは書いていないことにもふれることができる。
 ★一人称視点の話は、ここで初めて扱う。 

第5時  「作者は、何を言いたかったのですか。」

 ★ 前時でも、意見がまとまらないことが予測される。
   そこで、「作者は、何を言いたかったのですか。」の発問をする。
   子どもたちは、前時までの考えにこだわって、考えが広がらないことがある。
   その時は、
 (1) さし絵を活用する。
   教科書で使われているさし絵を見ながら、どのさし絵が大事か考えさせる。
 (2) 「最後のさし絵は、いらないのですか?」
     「この絵も含めて、作者の言いたかったことをまとめなさい。」
    
【ポイント】
   どのさし絵も大事である。
   この時、大切なのは、第3時、第4時でノートに書いた自分の考え 
   「誰が何をした話ですか。」 「主人公は、誰ですか。」と比較させるのである。
   そうすると、最後の場面(エルフの死後、ぼくが、いろいろな動物に囲まれている絵)が問題になってくる。
     @ 「ぼく」がエルフと一緒すごす話。  「ぼく」がエルフに「ずうっと、大すきだよ。」という話。
     A 「エルフ」が大きくなって死ぬ話。  
     B 「ぼくとエルフ」が一緒に大きくなる話。
     @〜Bのどれも、矛盾が生じる。
   何度かノートに考えを書かせていくと
   「ぼくがエルフと一緒に育ち、エルフの死んだ後もエルフのことを忘れない話」
   「ぼくがエルフのおかげで、ほかの動物も『ずっと、大すきだよ。』と思うようになる話」
   などのように、『ぼくの心の成長』に目を向けた意見が出てくる。
 

第6時  「わたしのおすすめの本」を視写して、どんなことを書くのか考える。

(1) 教科書の例文を視写する。
   @本のだいめい  A出てくる人・どうぶつ《主人公》 Bあったこと《誰が何をした話》
(2) 時間に余裕があれば、今まで読み聞かせをした本で、全員同じ紹介文を書かせる。

【ポイント】
   Bあったことは、第3時の「誰が何をした話」と同じことである。
   「誰が」のところに主人公を書かせる。
   「『おむすびころりん』で『ネズミがおじいさんからおむすびをもらった話』とするとおかしいでしょう。」と例を示しながら粗筋をまとめさせる。

第7時  紹介したい本の紹介文を書く。  

(1) 本を見ながら
    @本のだいめい  A出てくる人・どうぶつ《主人公》 Bあったこと《誰が何をした話》をノートに書かせる。
(2) ノートを見ながら、発表の練習をさせる。
(3) 画用紙にA出てくる人・どうぶつ《主人公》を描かせる。

【ポイント】
 紹介したい本は、読書の記録などで事前に選んでおかせる。
 発表の練習は、個人→隣とペアを組んでと緊張感ももたせる。
 (3)の絵は、描かずに絵本を手に持って紹介させてもいい。

第8時   「わたしのおすすめの本」を紹介し合い、紹介された本を読む。   

(1) 順番に紹介する。
(2) 紹介された本を読む。

【ポイント】
・ 前に出て紹介した子をほめる。
  「声が大きくて良く聞こえました。」「みんなの方を見ながら、話ができました。」
  「絵(本)の持ち方が良かったので見やすかったです。」「○○さんの紹介した本を読みたいと思う人?」
・ (2)では、まず、隣通し交換して読ませる。
  読み終わったら、所定の場所(例えば、学級文庫や、ロッカーの上などの特設コーナー)に戻させる。
  読む速さに差が予想されるならば、教師も数冊本を紹介し、所定の場所に置いておき、その本も読ませると良い。
・ 45分間では、紹介された本全てを読むことはできない。
  教室に紹介された本のコーナーを作っておき、朝の読書の時間や休み時間に本が手に取れるようにしておく。




TOPページTOSSインターネットランドご意見・ご感想

Copyright (C) 2003 TOSS-JHS. All Rights Reserved.
TOSS(登録商標第4324345号)、インターネットランド(登録商標4468327号)