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 遂に出た!
  日本人では、果して何人が「手に触ること」があろうかと思える、
  世界初! ドイツ語訳 『教行信証』

        

 井上 肇さんがRita Brielさんの強力な協力を得て、「世紀の難事業」に挑戦! まあ、これまで誰もやったことがないのだから、「世紀の難事業」ということではなく、「人類の難事業」だったのかもしれません。
 訳者の井上肇さんは役者ではありません(同姓同名の役者さんがおられますけど)。飯能市在住の全くの「無名人」で、「一行の会」という真宗大谷派の小さな学習会の例会メンバー(大竹も)です。
 Rita Brielさんは検索すれば出てくる「有名人」。どうしてこういう組み合わせになったのかは、私・大竹は全く存じません。井上さんが昔好きだったドイツの女優の面影がある人なのだろうか? リタさんには2009.6.24現在は、お目にかかったこともお声に接したこともありません。「日本食」は専門分野だそうだけど、納豆にキザミのりを振掛けて食うのかなぁ。サンマの塩焼きのハラワタ、大根おろしで食うのかなあ。お目にかかれる日が近い。たのしみだなぁ。ハモを食べて大好物なんかにならないことを祈ります。

 そもそも、ドイツ語人に『教行信証』を読ませてどうなんだ? お前ら正気か?というご指摘はあろうかと思います。まあ、普通の正気だったら(ま、リタさんは正気です。極めて冷静でしょう。問題なのはもう片方)、こんな事業は誰も志願せんでしょうな。しかし、井上さんの本質的な狙いは、キリスト教圏における「ユダの意義」ということを考えさせること。平たく言うなら「悪の救済」。キリスト教圏では、「悪は排除する」でしょうが、それで人間本当にいいのか?というキリスト教圏への大きな問い掛けが、この本の意図です。これはもう、「超」が付く「正気」でしょう。
 多分、リタさんは巻き添えを「食った」のだと思う。こんなの「日本食」じゃないのに。「食あたり」しなかったのかなぁ。
 私・大竹は、この本の製作に協力しました。20年来の友人としてボランティアで、です。「ビジネス」でしたら、決して引き受けません。井上さんを相手に、お金をふんだくるだなんておぞましいことです。(ご参考までに。これまで私はビジネスとして他人の本を出版にまで持っていくということは一回もしていないのは事実です。だから、ふんだくった事実はないのです。が、ふんだくってみたらどういう気持ちになるか経験したいという……。ない、ない。そういう不埒な考えはない!)「ビジネス」にすると、お金が欲しくなるんです。だから、ボランティア。これって、締切に追いかけられないということにもなりそう、と計算したかも。

 「身から出た錆」というか、エライ目に遭いました。ドイツ語を知らないヤツが、手を出しちゃいかんのです。「本の製作」という面では、一応、出版社を名乗っている者ですから、ドイツ語を知らなくてもできる範囲はありますから、そりゃあお手伝いできます。そういう分限を心得ていて、それに徹していれば問題はなかった。

 しかし、バカな私はある夏の日に浅草で井上さんと話している時に(ま、その時点で、きわめて限定されていた部分の翻訳を見ているんですが)、「あのさ、こういうような英語的な表現って、何かおかしいでしょ。つまり、サンスクリット語の英語表記を使ってそれがドイツ語の文脈に入っているのって。こんなのは、サンスクリット語のローマ字化したのがあるわけだから、キチンとそれを使うべきじゃないかなあ。あとから梵英辞典で検索できなくちゃ、困るんじゃないですか。それと、これって中国語の英語発音表記でしょ。中国語は漢字を使うにしても優先するのはピンイン表記じゃないかなあ。これも中国語辞典で正確に調べようとすると、ピンインじゃないと調べるのに難儀をしますよ。あと、「ナムアミダブツ」だって、これ日本語音ですよ。日本語音はやはり、ローマ字表記があるんだからそれを併用すべきじゃん」と言ってしまった。その上、「そういう『教行信証』だったら、井上さんカラーが鮮明に出ると思うよ」とまで言ってしまった。(ああ、井上さんの方が年上です!)
 井上さんは、私の言葉を受けて、「いいね、いいね。その辺、好きなようにやってよ!」
                  (井上さんの方が何枚もウワテです)
 当然私は、顔面蒼白である。

 「毒を喰らわば、袈裟までも」である。う? 違うか? もう俺は袈裟は持っている。後は、「毒を食え」ということか。
ということで、「毒まで食ってしまった」大竹である。奥付に「協力者」(多分。Mitarbeiter はそういう意味だろう)と出ているのが、上記のことからそのように井上さんがしたのだろう。まあ、「好きにやってくれ」ということで、「本作り」はぜ〜ん部、好きなようにやった。むろん、情報交換はできるだけ綿密にやったつもりであるが。

 それにしても、サンスクリット語やピンインの表記は、Tahomaというフォントでは対応できない。対応可能でTahomaと違和感が少ないフォントを探し、そのフォントで符号のある文字をラテン文字一覧表から拾い込んで画面を修正していく。つくづく、「俺って、単純繰り返し作業に向いているなぁ」と思った。そういうことをした回数は、ま、a-mita ということにしておく。a-mita の mita は、Mitarbeiter の Mitaと関係はあるのかなぁ。(あるわけ、ねえだろ)

 こんなドイツ語の本があるのかどうか知らない。というのは、本文の中にドイツ語以外にローマ字表記のサンスクリット語、中国語文字としての漢字、またそのピンイン表記、日本語漢字と発音のローマ字表記など、それらが混在している本なのである。実に「学術的雰囲気」の豊富な本になってしまった。いいのかねぇ。でも、Ritaさんの感覚では、これでいいらしい。まあ、ドイツ語人の大学の先生が言うんだから、それでいいのだろうということにする。
 それにまあ、表紙がド派手だなあという指摘があるかも知れない。しかしそれは狙い通りなのである。図書館に配架されたら、目立つゼイ。

 ちなみにこの本は仮立舎発行ではありません。日本語しか分らない大竹は、日本語以外の本を出すことはありません。この本は、井上さんの「個人出版」です。つまり、発行者が井上さんなんです。井上さんが印刷所にお金を振り込んだので、いくら支払ったのかは大竹は知らない。井上さんから苦情もきてないので、想定内の金額だったのでありましょう。

 この本は、判型は178×260の特別サイズ。450ページ。クロス装幀 輸送用段ボールケース付き。
  カンパを含んで代金は20,000円。校正は8回行っているが更に出てくる可能性は否定できない。
  ある程度の期間に正誤表を作製して、本書籍の購入者に配布の予定、だそうです。


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